スチームエゼクター (STEAM EJECTOR)の特性
一般にスチームエゼクター(STEAM EJECTORS)と言われているものについて弊社ではスチームゼットエゼクターシリーズ(Sシリーズ)として次の5種類に分類しています。
Sa)スチームエゼクター                          (STEAM EJECTORS)
Sb)スチームゼットブロワー                     (STEAM JET BLOWERS)
Sc)スチームゼット(サーモ)コンプレッサー(STEAM JET COMPRESSORS)
Sd1)スチームゼットサイホン                   (STEAM JET SYPHONS)
Sd2)スチームゼットヒーター                   (STEAM JET HEATERS)
Se)スチームゼットスラリーエゼクター        (STEAM JET SLURRY EJECTORS)
種 類
スチームエゼクターは主として、臨界状態下(高真空特性とも言う)のスチームエゼクターについてのものですが、非臨界状態下(低真空特性とも言う)のスチームゼットブロワーもよく利用されます。
これはわずかな圧縮比(概略1.8位)のとき使用しますが、吸入比が大きくすなわち少量の駆動蒸気で多量の気体を吸入しますので、ちょうど送風機のような役目をさせる場合によく利用されます。
さらに、主として蒸発岳の熱圧縮機として利用されるサーモコンプレッサーや蒸気を駆動して液を吸い上げるスチームゼットサイフォン等があります。
また、爆音や振動もなくスムーズに温水を造るヒーターには、槽内設置型と管路設置型との2種類があります。
前者はスチームゼットサイフォンと同種のものですが、後者はラインヒーターとも呼ばれ水配管路に取り付けますので普通のスチームゼットサイフォンとは形状が異なります。
上記の中でSa)スチームエゼクターはスチームゼットエゼクターシリーズの中の代表的機器で主に真空ポンプとして利用されるものであり、本シリーズ中で使用割合においても約80%を占めています。
<スチームエゼクターの組合せ及び使用例はこちら>

A)−般的特性について
スチームエゼクターは一点設計と言われるものの代表的機器です。
すなわち設計されたスチームエゼクターはその設計点唯一の点に対してのみ最適になります。
エゼクターの設計はディフューザー(スロート)における流速が音速以上のものと亜音速のものとに分類され圧縮比が約1.8以上あれば前者の設計となり通常臨界状態の流れと言います。前者のエゼクターは後者に比べて運転条件に敏感で一般のポンプや圧縮機に比べても異なった特性を持っています。運転条件の変化がスチームエゼクターの性能に及ぼす影響をまとめますと次の表のようになります。
駆動蒸気庄力 (MPaG) 吐出圧力(背庄) (kPaA) 吸入圧力 (kPaA) 吸入能力(量) (kg/h)
規 定 通 り 規 定 通 り 増加する(上昇) 増加させる
規 定 通 り 規 定 通 り 減少する(低下) 減少させる
規 定 通 り 増加させる(上昇) 作動不良となる
規 定 通 り 減少させる(低下) 規 定 通 り 変わらず
減少させる(低下) 規 定 通 り 作動不良となる
増加させる(上昇) 規 定 通 り 規 定 通 り 徐々に減少する
もし吐出圧力(背圧)を減少させることができるならばある範囲内において吸入圧力に何等の変化を与えずに駆動圧力を減少(すなわち駆動蒸気量を減少)させることができます。
スチームエゼクターは一点設計の機器ですので一度その装置が設計され駆動圧力吐出圧力吸入圧力の間に明白な関係が決まるとその吸入能力はエゼクター内部の物理的寸法を変えずには増加させることはできません。 
吸入能力は駆動圧力の増加によって事実低下します。また駆動圧力の低下により能力を制御することも有効には行えません。
能力が過大な場合駆動圧力を減じて能力を低下させることは可能ですがこの方法はエゼクターの作動をくずして(正常な作動状態でない)能力を低下させることになりますので不連続点があったりハンチング再現性に乏しい等の弊害を起こしがちで厳密な能力制御には不適です。
また後者のエゼクター(これはスチームゼットプロワーとして使用します)は通常非臨界状態の流れと言いますが駆動圧力と吐出圧力の変化は吸入圧力と能力に漸次の変化を与えますが駆動圧力の増加に比例して吸入庄力を増加させることはできません。
B)吸入気体の性能に及ぽす影響について
スチームエゼクターは空気または水蒸気を吸入流体として扱いますが一般的には吸入流体の分子量が大きくなればなる程重量ベースでの吸入能力は大きくなります。逆にエゼクターは低分子量の流体には不利になります。
たとえば飽和水蒸気に対するよりも乾操空気に対する場合の方が23%以上も能力が向上します。
また吸入流体の温度につきましては温度が上昇すれば重量ベースでの能力は低下します。
C)駆動蒸気の圧力と質について
駆動蒸気圧力が高くなるにつれ消費量は少なくなりますが一般的には0.4〜1.5MPaGの蒸気が最も多く使用されます。このうち最終段エゼクター(大気放出用のスチームエゼクター)は0.4MPaG以上(効率が非常に悪くなりますが 0.3MPaG位でも設計可能です。なおスチームゼットブロワーのように非臨界状態で使用するスチームエゼクターにはこの制限はありません)必要ですが吸入圧力の低い所で使用する多段式スチームエゼクターの高真空側は0.4MPaG以下でも十分使用できます。吸入圧力が1.33kPaA(10mmHgabs)位になると高真空側は0.1MPaGでも十分使用できます。一般には0.8〜1.5MPaGが最も効率よく使用できます。
蒸気の質は乾き飽和蒸気または若干の過熱蒸気(過熱度30℃以内)が最も良くドレンが多く含まれていると著しく悪影響を及ぼします。乾き度が98%より悪ければ性能に支障を来します。また過度の過熱蒸気(過熱度30℃以上)は湿り蒸気に比べて悪影響は少ないとは言えやはり望ましくありません。過度の過熱蒸気はエネルギーレベル比を低下させるばかりでなく比容積の増大がディフューザーをふさぐことにもなります。
しかしあらかじめ過熱蒸気を使用するようエゼクターが設計されていれば後者の弊害は防ぐことができます。

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